彫刻家~ 処女作にかえれ~

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「ツバメと猫」 真っ白な昼下がり 迷路にまよいこんだように 影にたどりつけない猫がいた 猫は無人の公園のまんなかでかなしい風景ををみた 日にキンキンとまぶしい水のみばの蛇口から 風がヒュウ、ヒュウと流れ そのまま排水溝へと消えていく風景を 影をうしなった自分の裏側には 風をうしなったツバメがいるということを 猫はかなしく知ったのだった 作 夏休み
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