無題

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ふ、と手を伸ばす。 手を伸ばした先に 貴方はいないのに。 私のその行為は 貴方を無意識に 求めているかのように。 「寂しいよ……。」 そんな呟き、 虚(ソラ)に混ざり消え、 「なんで  傍にいないの……?」 そんな囁き、 騒音に打ち消され、 「愛してほしいよ…。」 その言葉は、 唯、私の胸に 深く深く 響いて 残るだけ……。 どうして、 貴方は 傍にいないの? どうして? ずっと 一緒と誓ったのに。 「会いたいよ。」 できるはずない、と 理解してる頭と、 理解してない心。 唯苦しくて 唯切なくて 溢れる涙を 振り払い、 私は空を見上げ こう言うのです。 「ばいばい。」 と。
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