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傘の先端から、ぶっとい光線が発射された。
「ざけんなよチクショォォ!」
一面の花畑に、汚い言葉が、よく通る女の声で響いた。
私は、自分の口調がいつもより汚いことに気付きながらも、そんなこと考えてる暇があるなら生命の安全を確保するという勢いで空を駆けていた。
間一髪、巨大光線をかいくぐり、一息ついたところに細い光線が無数に飛来する。
マジでこええ。
「次から次へと忌々しい! 何であんなヤツを標的にしたんだ!」
遠くでもっと危険な役割を担っている言い出しっぺという名の仲間に憤慨しつつ、回避に力を入れる。
そんな回避中の私に、仲間二号が此方に合流した。
「仕方ないですよ。文さんは一度決めたら聞きませんし」
どうやら先程の憤慨を聞かれていたらしい恥ずかしい。
合流するまで同じように標的の注意を引き付けていた仲間二号が横に並び、一緒に飛んで同じ方向に回避する。
仲間二号である彼女が言う[文さん]というのは、三人の中──今回は強大すぎる標的にたった女三人で来た──の一応リーダー的位置にいるやつである。
仲間と標的とその他色んな物を振り回しながら手段は結構選ばないタイプという質が悪いヤツでもある。
何であんなやつがリーダーなんかやっているのか甚だ疑問であるが。
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