きらきらせぶんでぃず。

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みっかめ。 「鈴木さん、今日のこと忘れないでねっ」 朝、教室に入ってすぐ山田くんにそう言われた。 そんなきらきら眩しい笑顔で言われたら、頷くしかないじゃないですか、山田くん。今日、本当は女子からの目を気にして断ろうと思ってたのに。(ほんとに怖いの。冗談抜きで。) もう、そんなこんなで放課後になってしまいました。授業になんちゃ集中できなかった。山田くんのせいだ。いや、山田くんのことばっかり考える自分のせい。 「はい、机くっつけてー。やるならみっちりやるからなっ!」 「うん、ありがとう。」 誰もいない教室でフタリ。 シャーペンの書く音と、野球部の気持ちのいい掛け声だけが響く。 「…うぬぬ、わかんない。」 「えっとね、ここはこうしてー…ほら、わかったでしょ?」 「あ、わかった!すごいね、山田くん!」 すごく分かりやすく説明をしてくれて、苦手な数学が少しだけ好きになった。少しだけだよ。 「山田くん、なんてちょっと距離あるし。涼介、って呼んでよ。」 「りょっ、りょっ、涼介くん?!」 「うん、だから俺はるりちゃん。ふふ、仲良しだねー。なんちゃって。」 山田くん、めちゃめちゃ素敵です。みっかめ。 _
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