始まり

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男は新居で暮らし始めた。 新居と言ってもそこには何もなかった。電気だけはかろうじて届いているが、ガスも水道もなかった。 別荘と言えば聞こえはいいが、第三者的に見たらただの雨風を凌ぐことができるだけの掘っ建て小屋。 男は寒さに震えながら布団に包まり暮らしていた。 『働いてヒーターやストーブを買おう』 このとき男は誓った。
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