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「ここだよ。」
少女は、おずおずとその部屋に入る。
その男も後ろに続く。
ー広間ー
そこには、沢山の男達。入った途端に視線を向けられ、怯えたように後ずさる。
「大丈夫、僕がいるから。」
安心できるその声。
「そこに座れ。」
鋭い声が飛んできて
少女はビクッとなる。
それでも指示に従った。
「…で、お前は何者なんだ?」
「…分からない。」
首を振る少女。
「…気付いたら追いかけられていた、怖かった。自分が誰なのかも分からない。」
その言葉で、先程の男が睨んだ。
「土方さん、相手は女の子ですよ?」
「総司。こいつは間者なのかもしれないんだぞ?」
「……間者って何?」
その後も首を傾げた。
それを見ていた男達が、可愛いと思ったのは言うまでもない。
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