一章 記憶

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「ここだよ。」 少女は、おずおずとその部屋に入る。 その男も後ろに続く。 ー広間ー そこには、沢山の男達。入った途端に視線を向けられ、怯えたように後ずさる。 「大丈夫、僕がいるから。」 安心できるその声。 「そこに座れ。」 鋭い声が飛んできて 少女はビクッとなる。 それでも指示に従った。 「…で、お前は何者なんだ?」 「…分からない。」 首を振る少女。 「…気付いたら追いかけられていた、怖かった。自分が誰なのかも分からない。」 その言葉で、先程の男が睨んだ。 「土方さん、相手は女の子ですよ?」 「総司。こいつは間者なのかもしれないんだぞ?」 「……間者って何?」 その後も首を傾げた。 それを見ていた男達が、可愛いと思ったのは言うまでもない。
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