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いっけえええ!
レッドキングの足を取り、そのまま押し出そうとする僕。
この瞬間間違いなく僕は市内1イケメンだったはず。
しかしレッドキングは、僕の背中側から腕を伸ばし、僕のまわしを取りました。
それにより押し出しの勢いを殺される僕。
なんてパワーだ。
しかし俺は負けられない!リリーナの為に!未来は見えているはずだ!
再度力を振り絞り前に出る僕。
するとその瞬間、急に身体が解放された様に軽くなり、レッドキングと真っ正面からぶつかる僕!
たじろぐレッドキング。
「うわあ「それまで!レッドキング君の勝ち!」ああ!!」
え?
なんか聞こえた様な気がするけど迷わず押す僕。
あとすこし!あとすこしなんだ!
「ちょっと!やめなさい!」
係員の人に無理矢理引き離される僕。
そこでやっと気付く。
なんかみんな俺見て笑ってね?
尚子が言いました。
「翔太!まわしが取れたら負けなんだよ!」え?
「わあああああ!」
よく見てみるといつの間にやら僕のまわしが無くなり、
僕のサイクロンマグナムが丸出し状態。
「うわあああああ!」
恥ずかしくなった僕は泣きながら土俵からフルチンで逃げだしました。
数時間後、自宅で
ああ、明日からどうやって生きていこう…なんて子供ながらに泣きながら落ち込んでいると、父が部屋に入ってきました。
「翔太!準優勝おめでとう!」
父の手にはキラリと輝く銀メダルと大きな箱が。
「それは!?」
開けてみるとそこには僕が欲しくて堪らなかった限定版ウイングゼロが。
「頑張ったからな!母ちゃんにありがとうって言うんだぞ!」
練習してないのに頑張ったって言えるんだろうかと思いつつも親に感謝しました。
「来年は優勝しような!」
「ううん!もう出たくない!」
そう言いながらも翌年、僕は限定版のエヴァ初号機フィギュアに乗せられてまた出場する羽目になるんですが
それはまた次の機会に。
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