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初戦をゼロシステムの力で楽々突破した僕。 続く二回戦、三回戦も勢いにまかせたつっぱりのみで対戦相手を撃破! 「凄いぞ!強いじゃんか翔太!」 喜ぶ両親。 「そ、それほどでも…うはww」 まんざらでもなくなってきた僕。 そして迎えた準決勝。相手はイワタニ君でした。 (まずい。イワタニ君は僕と違って真面目に練習してきた男だ。 今まで通りのつっぱりは通用しない可能性が高い。ならば組み付い「はっけよい!!」 うわあ!はじまった!猛然と突っ込んでくるイワタニ君。 つっぱりをするタイミングを逃した! がっぷり4つに組み付く僕とイワタニ君。 まずい、こっからどうしたらいいかわかんない。 そう思ってたらほぼ棒立ちの僕は体制の低いイワタニ君に いつの間にか土俵際まで追い詰められてました。 まずい、ウイングゼロが。 まったく練習をしなかった僕をあざ笑うかの様に鮮やかに足を掛け、投げに向かうイワタニ君。 こなくそぉぉおお! 投げられない様にひたすら踏ん張る僕。 「それまで!翔太君の勝ち!」 え? なんか知らない間にイワタニ君の足が土俵から出てたそうです。 やった!よくわかんないけど勝ったぞ! こうして相撲経験0で相撲大会の決勝戦まで進んだ僕。 あと一歩でウイングゼロが手に入ります。 しかし僕には気になる事があったんです。 イワタニ君との対戦後、なんだかまわしの締め付けが緩くなっている事に… 父に結び直してもらおうと思った時すでに遅し。 決勝戦が始まりました。 まあいいか。 俺のペガサス流星つっぱりの最後の餌食になるのはどいつだ…? 正面を見ると、なんかレッドキング(ウルトラマンに出てくる怪獣。怪獣相手の喧嘩はめっぽう強い)みたいなでかい奴が立ってました。 正直終わったと思いました。 「はっけよい!」 始まる決勝戦。 「うわあああああ!」僕は必殺技のつっぱりをしながらレッドキングに突撃。 しかしレッドキングはつっぱりを簡単に受け止め、逆に僕の鼻っ柱につっぱりをかましやがりました。 痛っっ! 涙目になる僕。 地力では歯が立たない。 「うわあああああ!」 僕は回りこんでレッドキングの足を掴みました。 バランスを崩すレッドキング。 おおおお! 湧く観客。 いっけえええ! 僕は最後の力を振り絞り、レッドキングの片足を掴んだまま押し出そうとしました。
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