図書館の眠り姫

8/20
前へ
/146ページ
次へ
そんな風に、地味な人生の中でたまにハプニングに見舞われながらも、好きな本に囲まれて、京さんと沢山本の話をして、たまにイジワルされたりして… ごくごく穏やかなモノクロ的生活を送っていた僕に、ある日突然極彩色の嵐がやってきたんだ。 ・─・─・─・─・─・─・─ 「ごめんっ並河!お詫びになにか奢るから!」 「別に構わないよ、どうせ毎日図書館には行くんだから当番を代わるくらい」 ぱんっ と両手を合わせて僕を拝むのは、僕と同じ図書委員の一年生。 放課後に補習に呼び出されて、僕と当番を代わってほしいとお願いされた。 でも、僕は毎日図書館に通うのが日課だし、委員の日じゃなくても本棚の整理はするし…毎日図書当番みたいなものだ。 そこまで一生懸命お願いしなくたって大丈夫だよ。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2401人が本棚に入れています
本棚に追加