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昼休みと放課後、中庭にある図書館は生徒に解放される。
待っている人なんて滅多にいないのだけれど、それでも僕が早く本を読みたいから、駆け足で中庭を走り抜けた。
図書委員だけが持つことを許可された、図書館の鍵を開くカードキーをピッと入口のセンサーに通過させるこの瞬間が、自分がちょっと特別な存在になったみたいで好き。
放課後のこの時間は、ちょうど窓のステンドグラスから日光が室内に差し込んでとっても綺麗でお気に入りの時間なんだ。
ゆっくりと、図書館の中の本達を起こさないように扉を開く。…と。
そこには、ステンドグラスの窓から差し込む光にキラキラと輝きながら、机に伏せて眠る一人の眠り姫…
勿論、ここは男子校なのは解ってる。
でも。
「…綺麗」
電気の点いていない暗い室内に差し込む光と、それを反射する金の髪。
その空間が彼のためだけに存在しているかのように調和して、まるで絵画のようだった。
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