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「それ…解って言ってる訳じゃないんだよねぇ…」
「…う?」
「もうっ!なっちゃん好き!ずっとそのままでいてね!」
「みゃああああ!」
向かい合わせになった体をばしゃばしゃと水飛沫を跳ねさせて思いっきり抱き締められて、頭をわしゃわしゃされた…!
「大丈夫っ!俺がきっちり調きょ…じゃなくてかいは…じゃなくて!
ちゃーんと教えてあげるからっ!」
「は、はい!」
なんか聞こえちゃいけない言葉が聞こえたのは気のせいだよね!
「……」
「…悠斗先輩?」
不意に、頭をわしゃわしゃする手が止まって、ぎゅーっと抱き締められて、不思議に思って顔を上げたら、先輩が真面目な顔でじっと僕のことを見ていた。
「俺、なっちゃんいっぱい泣かせちゃったねぇ…」
「だ、大丈夫ですっ!」
「カッコ悪いとこばっかり見せちゃったし」
「悠斗先輩はかっこいいです!」
「俺、好きなコが出来たのってなっちゃんが最初だから、もしかしたらまたわかってなくて、なっちゃん泣かせちゃうかもしれないけど、なっちゃんがいっぱい笑ってくれるように、頑張るから」
「ぼ、僕も…いっぱい頑張ります!」
僕も、悠斗先輩が笑ってる方がいい。
「うん。二人で頑張ろうねぇ~」
そう言って、初めて会った時みたいに、その時よりもずっとキラキラドキドキする笑顔で笑って、ちゅっと唇にキスをしてくれた。
【めでたしめでたし】
「……とりあえず、明日の俺の笑顔のために今夜の事はきょーちゃんには黙っててねぇ?」
「ほえ?」
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