図書館の眠り姫

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普通の平凡な僕が通ううちの学校は普通の学校とは少しどころかだいぶ違う。 お金持ちの子供が集まる所謂名門校って奴で、各家庭から多額の寄付金が集まっているので学園の隅々まで色んな施設が充実してる。 今、図書委員の僕が居るこの図書館もその充実した施設の一つで、一般的な体育館以上ありそうな広さの二階建ての建物の中には、日本語の蔵書だけじゃなく誰が読むのか英語、フランス語、ドイツ語…と様々な本が揃っている。 この学校は山奥に立てられた全寮制の男子校で、生徒の娯楽が少ないので図書館だって大事な施設だ。 だけど… (あん…っダメだよ、こんな場所で…) (大丈夫。誰も居ないよ) (でも…) いや、居るよ。 ちゃんとここの貸し出しカウンターに座ってるじゃない。 本棚の影に隠れてひそひそクスクス笑う声。 …た…頼むから僕のお城で盛らないでぇ…っ!
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