図書館の眠り姫

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ガチャッ 「…何をされているのでしょうか」 「きゃあっ!」 「げっ、ふ、副会長!?」 「や、ま、待ってよぉっ!」 扉の開く音と、呆れたような冷たい声の後、慌てて図書館から走り出す足音と泣きそうな男の子の声。 逃げちゃったのかな… 「…はあ…」 「ぅうっ…」 「今後校内でいかがわしい事はしないように。それと、非常時に相手を見捨てて一人だけ逃げるような甲斐性無しはさっさと別れてしまいなさい」 「ひ…氷村様…っごめんなさいっ!」 「ああ、服はきちんと整えてから行きなさい。彼のようにズボンを忘れてはみっともないですからね このズボンは私が責任を持って焼却処分しておきますから」 ひ…ヒドイ… 「はいっあんなヒト別れますぅっ!」 ぱたぱたと足音が遠ざかって…ホッとしたのもつかの間。 コツコツと足音が僕の隠れている貸し出しカウンターへと近付いて来る。
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