夏の次の日

夏の日

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あてもなく街を歩いた。
手ぶらで家を飛び出した為、何もできない。

歩き疲れ座っていた千華の隣に誰かが座った。

「待ち合わせ？」

聞き覚えのある声に顔を上げた先には見知らぬ男性。

「一人？すっぽかされた？」

聞けば聞くほどその声色が胸を締め付け千華の瞳は再び潤み始め、その人は急に泣き出しそうになった千華に焦りながらハンカチ差し出してくれた。

そのハンカチから覚えのある微かな香りがし再び顔をあげたが、目の前にいるのはやはり全く見知らぬ男性。

「飲みに行かない？」

「お金持ってないから……」

「一杯だけ奢るよ」

大滝の言葉に打ちのめされていた千華は自棄な気持ちで男性に着いていった。