夏の次の日

夏の前の日

ーーー二人が出逢ったのは二年前。

当時大卒の新規採用で入社したばかりだった千華。

一方大滝は街の小さな印刷会社のカメラ技師で、写真をフィルムから現像し体裁を整えるという仕事をしていた勤続20年の大ベテラン。
そのため一日の半分は暗室に籠っており、初めて会った時も大滝は暗室あがりだった。

そんなある日。大滝のいる地区担当の上司の支社移転に伴い、千華がその地区を引き継ぐことになり、上司と共に大滝のいる会社へ挨拶に出向いた。