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目の前にあったのは、闇と、黒い手に覆われた人型の物体。
まあ、我自体も黒い手に覆われて目の前にある物体と、似たような状態だが。
しかし不思議な物だ。黒い手に眼まで、覆われているというのに、そこに物があるのは、ちゃんと分かるのだから。
そこで頭に声が響く。
〈うわっだせえ!!俺を犠牲にしたくせに、結局落ちてやんの。ざまぁないな、くそ魔王!!〉
なるほど、負け犬の遠吠えか・・・
違った・・・振汰か。
それにしても、念話を使うということは、声は出せないし、もう世界をまたいだということか。
ならばこれから我の、無双が始まるのか?
基本的に我は異世界では、最強だからな。
なにせ勇者で魔王で魔神で邪神だったし。
勇者業5回しただけの振汰とは格がちがう。
まあ、それでも師匠には、勝てる自信はないが。
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