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〈てめっ無視すんじゃねえええ!?〉
眼の前の物体が、バタバタと、動き頭に声が響きわたる。
くそ頭がキンキンする。
〈ええい!?やかましいわ、この無能勇者め!〉
〈ッんだと~〉
しばらく我と、振汰のお互いを罵る声が行き来する。
あくまで闇は静かだが。
だがそれも、やがては止まる。
闇は晴れない。黒い手も離れずに体の中と、外をはいまわる。
体の構造を変えているのだ。
体が召喚された地にあうように、体が召喚された理由と、役割にあうように。
はっきり言って気持ち悪い。
だから、我は眼を閉じる。
眼を閉じて、眠った。召喚される時は形は違うが、いつもこうだ。
ひどく気持ち悪い。
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