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そして、振汰はなにも、なかったかのように、床に座り、切り出した。
「で?何が分かったんだ?」
このあたりの切り替えは、なかなか早い。
やはり、今までの経験則というものだろう。
だから我は、馬鹿にも分かりやすいように、ちゃんと説明をする。
「まずは、この鎖だが・・・。」
この鎖は、かなり厄介だ。
我らの魔力は、無くならないから、いいものの、普通の人間ならば、3日もしないうちに、枯渇して死んでしまうような勢いで、我らの魔力を吸い上げている。
吸い上げた魔力は、一度、中央の水晶に集められ、その後特殊な魔法陣でどこかに転送される。
「フリーター、天井を身体強化した眼で見て、見ろ」
「分かった」
そして、振汰は眼に魔力を流して、天井を見上げる。
「あれは、逆展開の召喚陣…それに、その間にあるのは、結界か?」
逆展開の召喚陣とは、まず、魔法を練り込んだ特殊なインクを使い、召喚陣を普通とは逆に、階下があるような床に書き、そして、裏側、つまり、階下のものにとって天井に展開するものの、事をいう。
つまり、我らは、はるか頭上のあの天井から落ちてきたということになる。
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