スメラギサクラ様へ―――

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  「おい。琥珀、早く中に入って閉めろ」 唐突に筆を休めた土方さんに注意を受けて、あたしは開けていた襖を素直に閉めた。 あたしが、この寒い中、襖を開いて見ていたのは……… ハラハラと綺麗に降っている雪。 クリスマスに雪が降っているなんて……なんて素敵なんだろうか。 「すいません…。…寒かったですか?」 ヘヘッと笑いながらあたしが言うと、土方さんは筆を置いて、クルリとあたしの方に振り返った。 「俺ぁ平気だけどな。…琥珀は、寒がりだろ」 「…え?」 寒がり。と言う事を言い当てられ、あたしは無意識に目を見開いてしまう。 土方さん…… あたしの事、ちゃんと分かっててくれたんだ…。  
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