スメラギサクラ様へ―――

3/6
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
  それが異様に嬉しくて… ついつい、頬が緩んでしまう…。 「…琥珀。…なにニヤついてんだよ?」 「ニヤついてませんよ」 クスクスと笑いながらそう言い返し、私は土方さんの横に腰を下ろした。 すると、なぜか土方さんが、私をギロリと睨みつけて来る。 「……どうかしたんですか…?」 不思議になって私が問いかけると、土方さんはなぜか私の手を握った。 どうしたものか…… 私は、一瞬固まってから、無理やりに口角を上に上げる。 「ど、どうしたんですか?…土方さん」 「……琥珀は…」 呆れたように名前を呼ばれて、自分は何かしたか…と頭の中に考えを巡らせた。 だけど、何もした覚えはない。  
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!