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鏡の中の光景に、私は目を見開いた。
「う…わぁ」
そんな、ありふれた感動の声しかでない。
鏡に映った私の唇には、綺麗な色の、紅が乗っていた。
「土方さん……これ…」
「……今日だろ?…お前が言ってた、くりすます。って」
土方さん……
覚えててくれたんだ。
「でも私……お礼なんて…」
私は、手に乗っている紅を見つめながら、小さく言葉を漏らした。
すると土方さんは、唐突に…本当に唐突に、私の唇にキスを落とした。
「……これで、あいこだろ」
少しだけ顔を赤らめて言う土方さんが、なんだかすごく愛おしかった。
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