一人タリナイ

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一人タリナイ

「で、今日の捜査は終わったの。」 夜、何時ものように女性は燕尾服を着た男に事件のあらましを話す。 「左様でしたか。」 「どう思う?」 「犯人は分かりません。私は卒業アルバムを拝見してはいませんから。」 「アルバムの中に犯人はいるというの?」 「可能性は大いにございます。」 「しかし、お嬢様のお話では明らかに一人足りません。」 「誰よ。」 「それを聞かれるとは、お嬢様は頭が軽くございます。」 女性は自身の頭を叩く。 「軽くないわよ。」
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