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校庭から見える校舎の側面に、問題が書かれた垂れ幕が降りた。
「制限時間は一分間!それでは移動してください!」
校庭を行き交う生徒、生徒、生徒。
「金閣寺と銀閣寺。どちらも同じ階数……?」
佐原鷹春は頭を掻きながら、小さな声で問題を読んでいた。
この学校の修学旅行はクイズ大会である。
答えられなければ、容赦なく置いていかれ、帰宅させられる。
予選では、学年の全生徒200人を半分、つまり100人に削る。
第一問は○×クイズ。
校庭を○エリア、×エリアと大きく2つに分け、出題された設問の文章が正しければ○エリア、正しくなければ×エリアへ移動するというクイズだ。
佐原は制限時間ギリギリまで考えるため、○エリアと×エリアとの狭間に立っていた。
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