すれ違い

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「やだ…よっ…好きでもないくせにキスすんなよっ!」 ばか…陸斗さんなんか… 「は?誰が好きじゃないって言った?」 「ふぇ…?」 誰が… 「俺はお前を気に入ったって言ったよな?」 「え…?」 そういえば… [可愛いな、気に入った] [お前が好きなんだよ] ………あれ? なんか前に言われた気が…… 「お前が好きとも言ったよな?」 「えっ…ぁ…っ…」 どうしよう… 前に言われたときに 恥ずかしいのと 訳が分からないので 「わからない」って答えちゃったんだった… 「俺が好きでもない奴にキスすると思ってたの?」 好きでもない奴… キス… 「…………わかんないよ」 わからない 陸斗さんがどうゆう気持ちかも 陸斗さん自身もわからない… 俺は黙って立っていた 「そぅ…わかったよ…」 陸斗さんはそれだけ言い残して 外に出てしまった… 怒らせた… 陸斗さんを怒らせてしまった… 「グスッ…りっ…陸斗さぁ…ん…グス…や……っだ…」 俺の泣き声だけが 洗面所に響いた
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