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今年で高校二年生
今日は三年生が引退する前の
最後の大会
バドミントン高体連だ
女子団体戦の決勝まで
うちの学校は進み
二回目の試合のシングルスをやっているのは…
この私…橋田 一希
3セット目までもつれ込み
今は私が押している
団体戦は
一回目にダブルス
二回目にシングルス
三回目にまたダブルス
をやり
二つの試合を取った方の学校が
勝利となる
私の学校は一回目のダブルスが取られているので
この試合は絶対負けられない
なんとか勝って流れをこっちのものにしなければ
「ポイント17-15」
「しゃっ!」
相手から点を取るたびに声をだし
自分の士気を高めていく
「ポイント18-15」
「っ……しゃっ!」
(さっきのラリーの時か…)
しかし…3点リードしていても
すんなりとはいかないようだ…
さっきの羽の打ち合いの時に…
足を挫いてしまった
痛さはあったがそんなことは気にしていられない
体を止めれば点を取られる
私はそのまま無理な
体制で打ち返し
なんとかなったが
「サービスオーバー16-18」
しかし次は点を取られてしまった
次第に足がズキズキし始める
「一希、一本!」
「頑張れ一希!」
だけど先輩達の声援が聞こえ
痛さなんてぶっ飛んだ気がした
シングルスにでてる私以外は
みんな三年生だ
引退してしまう前に最高の勝利をプレゼントしてあげたい
「サービスオーバー19-16」
「しゃぁっ!」
三年生が引退すると人数がかなり減る
私が住んでいる地域のバドミントンクラブがなくなってしまったため
ずば抜けて強いのは
先輩方と二年生の世代になってきて
強い人は私の通っている地元の高校ではなく、市内の方へいくようになった
「ポイント20マッチポイント
-16」
「ファイトー!」
「ガンバあと一本!」
私達、後輩を
ときに厳しく
ときに優しく
引っ張ってきてくれた
先輩方…
大好きな…先輩方
私は絶対
「勝つよ」
最後のラリーにするため相手の
ミスを誘う
上手くフェイントをいれてコースギリギリを狙った私のシャトルを
ついに相手はあまく上げてしまう
(きたっ!)
私はそう思った瞬間
高く飛んでいた
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