あなたの笑顔『他壁』

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真夜中に聞こえる 誰かのすすり泣く声は 汐さん以外他の誰でもない 今日、話しかけた時 悲しそうな表情で 大丈夫って言った そんなの嘘 だって… 汐さん顔に出るタイプだもん 隠したってわかってるよ。 このままほっとくのは 柄じゃないけど 解決すべき人は俺じゃない だけど…今は寝てるだろうから 明日、言おう 「なぁ、キイちょっといい?」 「いいですよ 迅くんが珍しいですね」 「キイ、わかってんだろ 俺が何のためにきたのか」 「さぁ?わかりません」 「汐さんいつも夜中に 泣いてんだよ、お前を想って」 「…なんでですか?」 「なんでって…」 「俺は汐さんのこと愛してます 何で泣くんですか?」 キイの言葉に刃向かうことが 出来ずに俺はうろたえていた 「キイはそれを 行動に表してるか?」 「は?」 「汐さんは不安なんだよ ぎゅってされなくて 俺だけ一方的に 想ってるんじゃないかって… それだけ重いやつだって わかって付き合ってるんだろ?」 「…」 「汐さんは辛くたって 言えない人だって… キイなら…わかるだろ…?」 「…知ってます」 .
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