あなたの笑顔『他壁』

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俺が悟くんの部屋を 掃除していると… 誰かが室内に入ってきた 俺はてっきり悟くんだと 思って振り向いたら… そこにはキイがいた 「…キイ」 「汐さん…鮎川さんと 付き合ってるの…?」 キイが潤んだ瞳で聞いてくる… よく見ると…目は真っ赤に 充血していた… キイは俺の腕を掴んで 身体を揺さぶって 叫ぶように声をあげた 「っ…答えろよ!汐さん! 鮎川さんとっ…浮気してんだろ! そうなんだろっ!?」 「違う!!」 俺の大きな声にキイの身体が ビクッと跳ねた 「何を見て誤解したか 知らないけどっ…! 俺はっ自分でも馬鹿だなって 思うぐらいキイが大好きで 堪らないんだよっ! どんなに冷たくあしらわれても 俺は…っ俺は…! キイが大好きなんだっ!! わかったか!?この馬鹿!」 今までのストレスを 爆発させた俺を 呆然と見つめるキイ 言い切ったと同時に 俺の頬に生暖かいモノが 静かに落ちていった 気づいたらキイの腕の中にいた .
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