第一章 刹那的

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はじめまして、は幼稚園だったはず。いつだったか幼稚園の行きのバスで、「結衣ちゃん、おはよう!」と笑った気がする。適当に座ろうとしたのだが、「おいでおいで」と彼女が言うもので。だから隣に座った。 それだけの記憶。他はもう覚えてない。なんせ、10年以上も前のことだ。 その次に会ったのは、多分、小学校の放課後の学童保育所。めちゃくちゃ達筆で「学童保育所」って書いた木製の看板がついてて、僕はそこに小学一年から三年までいた。コマ回しした。彼女は一年の最初の方だけいたらしい。それは後から聞いた話。だって記憶にはなかったから。 それで、…そのあと。そう。そのあと。
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