プロローグ

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普通の高校生なら一人暮らしなんてしているはずがなかった 親は本物のヤクザさんで、家にはいたくなかった。 金だけは山のようにあった(親がどこかで良くないことをした結果だと思う)から、自分は家をでた。 コンビニの菓子パンを食べながら出来るだけ人目を避けて小さな路地を歩いた。 それでも通学路のため人はいるもので、人を避けること無駄な努力にすぎない。 その中の一人がカバンの外ポケットに入れていた財布を落とした。 彼女はそのまま気づいていない様子で歩いている。 僕は声をかけるのをためらった。 しかし周りには誰もいない。 自分が言うしかないのか…… 僕は拾った財布を持って すみません と声をかけた。 彼女は振り向いて自分と視線を合わせた瞬間に謝りながら足を1歩引いたあと叫びながら走って逃げていってしまった。 どうせこうなることはわかっていた。 でも気づいていない事を教えられないようなモラルから外れたことはしたくなかった。 仕方ないから交番か… 今は時間ないから帰りだな…… 叫ばれた騒ぎの性で静かになった道を、少し急いで学校へと向かった。
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