プロローグ

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―放課後― 警察にはなんども財布やハンカチでお世話になった。 何故か勝手に相手がビビってかつあげかなにかと勘違いするらしい。 そのおかげで警官とは嫌でも顔見知りになってしまった。 今回も行きつけ(普通はおかしいが)の警察にいって、「あんたまた来たの?」「いつもの(件)で」という喫茶店の常連かのようなやり取りを繰り広げた後、冷蔵庫を満たすため、スーパーに向かった。 このスーパーは家からは少し遠いが近くの店より安い。 そのため、遠回りする用事があったり、大量に買うときは必ずここになる。 今回はどちらにもあてはまるスーパー日和だった。 食パン買いだめして凍らせとくか…… 牛乳は1Lもいらねーけどシチューでも作ればなんとか……… こんなことを考えているとスーパーを出る頃には陽が落ちてしまった。 両手に荷物を抱えて街灯がぽつぽつとしかない薄暗い道を歩く。 暗い道にもかかわらず、テンションは高まっていた。 冷蔵庫が久しぶりに意味をなす。 まともなものが食べられることがやっぱり嬉しかった。
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