prolog

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俺の人生において、特別なことってのはそうなかった。 見た目も平凡。背の高さも平均。学力、運動神経共に並み。そして性格もいたって普通だと自負してるくらいだ。 平々凡々な俺が歩む人生では、目が覚めた瞬間体が縮んでしまったムッツリ小学生探偵みたいな驚愕な事態に襲われることもなければ、どこぞの中2病な大学生のように名前を書くだけで人を殺せるノートを手に入れることもなかった。 ただ普通に親に言われるがまま、男しかいねぇ初等部に入り、そのまま全寮制で中高一貫の男子校に進み、周りに男ばっかりだからって男が男に恋をするなんて薄ら寒い事態が引き起こされている恐怖の学園生活を送る以外は、いや、送っていることも含めて。 俺は、普通だった。 …はずなんだ。
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