血染めピエロ

イチ

血の付いた服が入った袋を受け取り、それを床に置いてとりあえず妹の身体をタオルで拭いてやる。
右手に袋を持って、左手は裸のままタオルを被せた妹の手を握って階段を二回登って子供部屋まで連れていき、寝間着を着させた。あとは夕御飯を食べて寝るだけだからこれでいい。
ワタシのお気に入りのウサギのぬいぐるみと、妹のお気に入りのイヌのぬいぐるみを彼女に持たせ、妹を部屋に置いてワタシは袋を持って居間に戻った。

袋の口を開くと、鉄の臭いが鼻に付いた。
妹はこれをどう考えて色水だと思ったのか。

そこにティッシュにくるんだプリンを入れて、庭に出た。飼っているウサギがこちらに気付いて、餌をくれるのかと走り寄ってくる。
ワタシはソレに餌をやってからスコップを持ち、庭に埋まっている名前も知らない木の根本を掘りだした。

しばらく一心に掘っていると、唐突にカツン、と乾いた音がした。
この庭は家の構造上2階にあって、土の底にはコンクリートがある。
ワタシはようやく掘るのを止めて、袋を底に落とすと、今度は逆に穴を埋め始めた。