はじめての彼女

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彼女ができたことをかっこいい親友に告げると、親友は、「お前にはもったいない」と困惑した。 大袈裟だな、と思う。確かに彼女の胸は魅力的だけど、その分他がひどい。ぜんぜんかわいくない。トータルで考えたら絶対マイナスだ。最後に、「情けないだろ、巨乳に釣られちまったのさ」と付け加えて、僕は、この僕の思いを口にした。 すると親友は、 「ばかやろう。お前の目はザリガニか」 ばかやろうはこいつだ。僕の目がザリガニのはずがない。 「今岡さんは超美人じゃないか!」 やはりばかやろうはこいつだ。こいつの目はザリガニでできてるのかもしれない。ザリガニ。いい例えだ。僕は天才かもしれない。ザリガニになら今岡さんが美人に見えてもしかたない。なるほど。 思えば、こいつとは女の子の趣味が合ったことがない。僕がいいと言った子をこいつはブスだと罵り、こいつがかわいいと言った子は皆ブスだった。 「ブス専からしたらそうかもしれないな」 これで何度目かわからない言葉を親友に向ける。そしたら決まって、 「ブス専はお前だ」 と返ってくるのだけれど、いつもと違って親友はそれからこう続けた。 「いいか。今岡さんは今年度のクイーンだぞ」  
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