はじめての彼女

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それでも僕は彼女がおしとやかな女性であると感じていた。彼女のちょっとした言葉や動作がそうさせたのだけれど、 悲しいことに、実際は違った。 だって! だって彼女は! 僕の家に来て、僕の部屋に入ったとき、おしとやかとは思えない言葉を発したんだ! 何と言ったかは思い出すのもつらいので言わない。 でも、 『童貞は襲ってこないから安心できる』 とか、 『でも裕紀くん(僕)はむっつりだから、もしかしたら……、いや、ないか(笑)』 だとか、そういうことを、彼女は! 彼女が! クールビューティ☆を目指すこの僕に! むっつりという掛け離れた言葉で! 僕が一番傷つく言葉で! 馬鹿にしたんだ! しかも、僕は童貞ではない! 思えばそうだ。おしとやかな女性が、胸を触られる可能性を感じながら男の部屋にあがるだろうか。彼女は僕が一人暮らしをしていることを知っていたから、ご両親に挨拶を、みたいなことでもない。僕との約束を守るためかもしれないけれど、そもそもその約束をすることがおしとやかでない。 僕が冷静であったら、巨乳をどうこうしようなんて妄想をしていなければ、簡単に気づいたではないか。ああそうか、僕はまた巨乳に負けたのか。巨乳に負けて、気づくのが遅れて、一番聞きたくない言葉(むっつり)を聞くはめになったのか。くそやろう。なんともまあ屈辱的だ。  
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