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「貴方は違うもの。裕太さんより温かい…。本当はもう、随分前に気づいてたの。
そうね…体の関係を求めたころかしら…」
お嬢様は手を離さず
ゆっくりと話す。
「記憶傷害が治りはじめて…裕太さんはもう、いないと気づいた。
それは、真理さんからの電話で…。
私は真理さんの事も全然覚えていなくて
少しずつ私の欠落している記憶を教えてもらったの。
今の真理さんたちのこととか…
前なら取り乱していたとおもう…けど自然と受け入れられたのよ。
それは…貴方がいたから…
琴音の事も…いろいろとごめんなさい…私は『結婚』が怖くなっていたのだけど…貴方とそばにいるだけで
安心できたの
だからいずれプロポーズしようと思っていたのだけど…
母様が新しい婚約者なんて言い出して…もう待っていられなかったの
そんなとき…妊娠が分かって
このパーティーが終わったら言おうとおもっていたの…」
今…このみに起きているのは
現実なのだろうか…?
勝手に涙は流れ続けているが
心はまだ驚いている。
お嬢様…本当に…僕を…?
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