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「具合わりぃ。俺帰る」
俺は高橋 彰人(タカハシ ショウト)。
華神(カガミ)高校2年。
元カノに裏切られて以来
彼女なんかいらないと思ってた。
お前に出逢うまでは―…
「は?彰人また帰るの?」
こいつは高橋 卓哉(タカハシ タクヤ)。
俺の幼なじみで馬鹿だけど
不意の一言が鋭くて気が抜けない。
「うん、学校もだりーし」
「そうゆうもんか?」
「卓哉は馬鹿なんだからちゃんと勉強しろよ(笑)」
「し、彰人!馬鹿にすんなよ!」
「うっせ、童貞(笑)」
俺らはいつもこうやって
馬鹿なこと言い合ってた。
もちろん、高校でも健在。
「じゃあな。」
「おう」
廊下を歩いてたらロングで
少し茶色がかった女の子が
近づいてきた。
「彰人、くん?」
「…もしかして希羅?」
「よかった、分かって」
話しかけてきた女の子は
1週間くらい前に知り合った
同じ高校の女の子。
名前は中村 希羅(ナカムラ キラ)。
茶色がかった長い髪が似合う
可愛らしい子だ。
「帰るの?」
「あ、うん。具合わりぃし」
「そっか。風邪?」
「かなぁ?わかんね(笑)」
「風邪薬のみなよ^^」
「お見舞いきてよ(笑)」
なんてふざけた話してたら
希羅が授業始まるから、と
走って行ってしまった。
きっとこの日からだ。
希羅を少しずつ好きになった。
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