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わたしと藤岡は同じクラスだったけど、わたしはその時まだ藤岡を知らなかった。
藤岡はあまり学校に来ていなかったから。
藤岡もわたしを知らなかったみたいで、
「あんた、その制服俺と同じ高校じゃん。何年?」
と聞いてきた。
「い、一年です」
正直わたしは藤岡を見て、最初は嫌な印象だった。
金髪だしピアスしてるし、チャラチャラしてて苦手なタイプ。
「じゃあタメだ。俺、藤岡托人。おまえは?」
「山田…茜」
「山田っ!」
「はい?!」
いきなり大きな声で呼ぶからびっくりした。
「おまえ、後ろ乗れよ」
藤岡は自分が乗っている自転車の後ろを指差した。
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