80人が本棚に入れています
本棚に追加
とある県の辺境にて―――
「ねぇおじさん。おじさんは何してるの?」
「お嬢ちゃん、俺はおじさんじゃねぇっての。お兄さんだ」
「じゃあお兄さんは何してるの?」
「そうさなぁ~…過去を振り返ってた」
「だからそんな悲しい顔をしてるの?」
「……かもな」
「じゃあさ、じゃあさ! 私にも話してよ。お兄さんが辛いと思ってる過去を。話したら少しは楽になるかもよ?」
「……ぷ、アハハハハハッ!」
「?」
「良いね、お嬢ちゃん。でっかく、でっかく面白いよ。よーし、俺の過去を話そうじゃねぇか!」
「わーい!」
そして男は語り始めた。
自分が“生きた”という証を増やすために……
最初のコメントを投稿しよう!