プロローグ

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とある県の辺境にて――― 「ねぇおじさん。おじさんは何してるの?」 「お嬢ちゃん、俺はおじさんじゃねぇっての。お兄さんだ」 「じゃあお兄さんは何してるの?」 「そうさなぁ~…過去を振り返ってた」 「だからそんな悲しい顔をしてるの?」 「……かもな」 「じゃあさ、じゃあさ! 私にも話してよ。お兄さんが辛いと思ってる過去を。話したら少しは楽になるかもよ?」 「……ぷ、アハハハハハッ!」 「?」 「良いね、お嬢ちゃん。でっかく、でっかく面白いよ。よーし、俺の過去を話そうじゃねぇか!」 「わーい!」 そして男は語り始めた。 自分が“生きた”という証を増やすために……
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