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「ああ?」
俺はこいつの提案に眉をひそめる。
一緒に昼を食べたい?何だって俺は得体の知れない女の隣で昼食を食べなければならない。
というか、元々俺は女があまり好きではない。
男も大差ないという見解もあるが、女は男以上に腹んなかが読めない、結構当たり前のように人を貶める印象がある。
だから、俺は女に対して警戒心を持ちやすい、
もう俺は、西口という女には警戒しろと判断を下している。
これも一般的な男の単純思考でいけば、『どっかでフラグでも建てたかな』で終わるだろうが、俺はもう少し考える、
そうだな、もしかしたら西口も俺と同じ、つまり俺について色々聞いて、それで面白そうな話が浮かんだから、探りを入れてみようとか、そんなとこだろうか、
少なくとも単純思考でたどり着くような甘い話ではない。
だからこれは問答無用で断ってもいいんだが、
「いいぜ」
ここは敢えてイエスと答えよう。
向こうにばかりやりこめられるのは腹が立つし、反撃したくなった。
「じゃあほら、はやくひろげようぜ」
俺はひろげる、とか言っておきながらコンビニで買ったパンを出すが、くそ女――いい加減西口にしよう、西口は俺の袖を引っ張って、
「……屋上で、食べよう」
俺に席を立つよう催促した。
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