約束は違えていた

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「ふぁぁ」 現時刻は8;20、通勤ラッシュが落ち着きだし、個々がそれぞれの目的地に向かう、変わり目の季節、春の道筋、 ある人は気だるげな、ある人は固い表情で、春の道を歩く。 そう、今日この日は、ある年代の人間のみ特別な日にちである。 他ならない、入学式のある今日、 各々が様々な面持ちで学校に向かう中、一人、あくびを噛み殺しながら登校してくるやつがいた。 目にかかる前にばっさり切られた前髪、眠たげに垂れ下がった目、 ちなみに彼の髪はパッツンの前髪のダサさを払拭するためか、申し訳程度にワックスがついている。 彼は、真新しい制服を見にまとい、人の少ない道を歩く、 「……学校、か」
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