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「……学校、か」
俺はみんなが早足で学校に向かう中、あくびを噛み殺しながら通学路を歩いていた。
その途中、ふっと口から漏れ出た三文字、
俺はこれから始まる高校生活とやらになんの感情も沸いてこなかった。
一体、中学が終わったからといって何だと言うんだろうか、
ただ自分が取るべき責任が増えただけで、まわりにいるひとが変わるくらいしか変化はないだろ。
それに、俺にとって回りなんかだれたって同じようなものだ。
何も変わらないだろう。
「変わるには、余程のお人好しか、物凄い偏食派がいないとな」
恋のな、
というわけで、俺こと高村直樹は、入学式とは思えないほど重たい足取りで学校に足を踏み入れたのだった
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