約束は違えていた

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彼女が見つめている一点が分かった瞬間、俺は顔をひきつらせる。 うん、いくら動揺することがない人でも、これには身の危険を感じるはずだ、色んな意味で、 というか、何がどうなって俺は初対面の女子に股間を見られているのだろう、 変態な男子であれば、今このシチュエーションに興奮し、ハアハア言って、目の前の女子にドン引きされるだろうが、 生憎俺に知らない女子に股間を見られてハアハア言うような性癖は持ち合わせていない。 「……チャック」 「はあ?」 俺が彼女に対する対応に窮していると、突然彼女がそんなことを言ってきた、 もちろん、意味を理解出来ない俺はそんなすっとんきょうな声をあげる。 「……チャック、開いてる」 彼女がもう一度口を開く。 そして俺も彼女が何を言いたいのかがわかってきた。 チャック、股間、 この2つから導き出される答えは1つ 「……マジか」 社会の窓の事だろう。
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