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「……高村直樹」
俺は仕方なく名前を名乗る、
もう少しで相手に手を挙げそうになったが、こんなことで女子に手を出すのは、常識的にダメだろう。
俺がなを名乗った瞬間、相手が何か期待しているような眼差しを俺に向ける。
それが何を指しているかは、俺には分かるはずもないのだが、
「……私は、西口恵理、あなたと同じ、今日この学校に入る」
いや、そんなことわざわざ言わなくとも分かるのだが、
「それはそうと、お前は廊下に何をしにいくんだ」
「……流された」
俺が西口のボケを流したのがショックだったのか、肩を落としてドヨーンとした空気をまとう、めんどくせえな!おい!
「用がねえなら、俺は教室にはいる」
西口の対応が面倒になった俺は西口を放置して教室に入ろうとするが、
「……行かないで」
即座に服の袖をつかまれてしまった、
「……用はないはずだ、何故つかむ」
「……暇潰し」
「残念ながら暇潰しするほどの時間もないし、俺もつきあう気はない」
「……ぶつかった、責任とって」
「なんの責任だよ!お前は怪我もしてねえし、俺は変なものも見ていない!」
どうして俺は女の子に背を向けながらこんな下らない事を話しているのだろうか、他愛の無さすぎる会話だと俺は思う。
「……私のパンツを変なもの呼ばわりした、私の心にヒビが入った、責任とって」
「誰もお前のパンツとはいってねえよ!それと最後の台詞をあんまり連呼すんな!なんか卑猥に聞こえてくるから!」
だから、どうしてこんなアホらしい台詞を俺が言わなきゃならないんだ!
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