約束は違えていた

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「……ダメじゃない、変態でも、生きる価値、ある」 「むしろどうして変態だったら死ななきゃいけない」 厳しい社会の掟だな。 「ていうか、マジで離してくれね?俺カバンまだおいてないし」 いやね、俺も黙って捕まってるわけじゃないのよ、どうにかしてこいつの拘束から抜けようと、会話をしながら捕まれている袖を振り払おうとしてるんだけど、 握力半端ないわけね、つまり要約すると、 取れない 訳です。 「……無理、しなくてもいい、あなたが私と会話して、はあはあ、しても、私は気にしない」 「俺って女性に縁がない設定なのな、会話するだけで興奮するとか」 もしいたら性犯罪者予備軍確定だな。 「……そんなに私と話すの楽しいの?」 「てめえの脳みそはとことん幸せだな!何をどうしたらそういう結論に至るんだよ!」 もうやだこのクソ女! 俺のなかで白旗が上がった瞬間、 キーンコーンカーンコーン 学校のチャイムが、お馴染みの音を鳴らして響き渡った。 「……ギャーーーーー!!」 俺は頭を抱えてその死刑執行のお知らせを聞くしかなかった。 「……任務、成功」 だから、後ろで何かをボソッと呟いたのを、気付かなかった
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