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カランカラン、と音が鳴り、視界にカウンターが飛び込んで来た。
木目の入った暖かい感じのするイスが規則正しく並び、カウンター席以外にも結構な数の丸テーブルがあった。
「あら~ん、いらっしゃ~い」
そしてカウンターの奥には筋骨隆々、長身、そして体つきに似合わない優しい瞳が俺たちを歓迎した。
「キャサリンさんこんにちはー……って、どうしたんですかその怪我!?」
アスカが叫びに近い声を発した。
たしかにキャサリンさんのたくましい腕と頭には真っ白な包帯が巻かれていた。
「これなら心配ご無用よ! さぁさぁ座って。ご注文はなにかしらん?」
笑いながらキャサリンさんは腕を振り上げ、大丈夫だとアピールする。
……なんだろう。オネェ系なのにすごく男らしい。
心配そうな表情でアスカは俺とサラを見るが、本人が大丈夫だと言うのもあってアスカはそれ以上追及しなかった。
さぁさぁと促され俺たち三人は並んで席に座る。
「さて、なにがいい? 言っておくけど、お酒は出さないわよん? まだ一日は長いんだから」
バチッと俺にウィンクが飛んできた。正直、意味が分かりません。
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