―始動―

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渡されたメニューを見て、俺は口から心臓が飛び出るような衝撃を受けた。 「なっ、なななな!?」 「な、なによ。びっくりしたじゃない」 「あ、あぁ。わりぃ」  だ、大丈夫。ちょっと取り乱したけど、改めてメニューを見るとそんな驚くほどじゃ……。  一番安い紅茶の横に三千の数字が見て取れた。 「た……高い……」  これはぼったくりというやつじゃないのか?  飲み放題だとしても規格外だ。  しかしアスカは悪戯っぽく笑い、 「たしかにここは高いわよ。どう? こんな良いところでおごってあげるのよ」  正直、アスカを見くびってたよ。 「心の底から感謝――」 「じゃあ、アンタは水でいいわよね」  見くびってもいいみたいだ。 「水ってタダじゃねーか!」 「あら、注文する手間がはぶけていいじゃない」  そりゃそうだ! なんたって注文するより前にもらえるからな! 「私このケーキがいいなぁ」 「じゃああたしはこっちにしよっ」 「はぁ~い。ちょっと待っててね」  なんでサラもキャサリンさんもノーリアクション!?  やっぱりアスカは俺には酷い対応だった。一応、アスカの為に頑張った過去があるのだから、もうちょっと良くしてくれてもいいと思う。
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