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しばらくして、とてつもなく高そうなケーキが二つ、サラとアスカの前に置かれた。
やばい……。めっちゃうまそう。
そんなケーキを目前に女子二人はきゃあきゃあ騒ぎだす。
俺は遠い眼をしながらグラスに注がれた光り輝くウォーターをちびちび飲む。
さすが高い店だけある。軟らかくておいしい水だなこんちくしょう。
「なによレイ。欲しいの?」
アスカがクスクス笑いながら聞いてくる。
当たり前じゃないか。しかし、すでにアスカが口を付けているから食べることは許されない。
「なんか目が潤んでるわよ」
「水がうますぎて感動してんだ。邪魔してくれるな」
「もうっ。仕方ないわね」
と、アスカはケーキを一口サイズに切ってフォークを突き刺す。
「はい、あーん」
「はいぃっ!?」
「なによ。いらないの?」
「いやっ、そうじゃなくて……!」
アスカが、あーん、だと!? しかも、付き合い始めてまだ間もない甘~い恋人のような笑顔で……。
ここは、あーん、してもいいのか!? お互いに貞操を守るべく断るべき……?
いやいや待てよ。プライドの高いアスカがここまでやってるのを断ったらそれは失礼じゃないか。
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