―罪―

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「ほらほら、放っておいていいの?」 あからさまな〝行け〟と言っているような物言いだ。 唸る俺たち。 選択肢はいくつあるんだ、と考えていると、これまたわざとらしいため息。 「……ケイト」 「ちっ、仕方ねぇな」 これが鶴の一声というものだろうか。ケイトはガシガシと頭を掻いてリザを追いかけるようにドアへ。 俺も行くべきなのか悩んでいると、 「レイ、アンタはあたしとサラにお茶ね」 「なんでだよっ!?」 「ほら、早くしなさいよ」 出たよアスカの一方的な命令。最近無かったからご無沙汰だったな。 「ははっ。こっちの方が楽そうだぜ。頑張れよレイ?」 まるで危機を察知した小動物のように、ケイトは素早くドアの向こうに消えてしまった。 おそらくここに残ればアスカに使われるのがわかったのだろう。 名指しで言われた俺は逃げようがない……。 「ま、マジか……」 「レイー。早くー」 恨めしげにケイトの出ていったドアを睨みながら、俺は渋々と部屋の片隅に置かれた小さなお茶セットへと歩み寄るのだった。
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