―罪―

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――― ―― ― 「さて……、どうすっかな」 談室を出たケイトは廊下を歩きながら悩み中。 どうやってリザの機嫌を直そうとか、なんて声をかけよう、なんて悩みではなかった。 「あいつどこ行きやがった……」 螺旋階段を目の前に考える人に変身。外の空気を吸ってくると言っていたが、場所はいくつかある。 バルコニーか、屋敷の外か。もしかしたら、昨日ミリアの言っていた屋上かもしれない。 「うぅむ……」 ここで間違えたら入れ違いになってしまう可能性がある。それだけは避けたいケイトだった。 と、その時。 「どうされましたか?」 螺旋階段を一人の女性が上がってきた。ピンと立った茶色い耳とクルッと巻いた尻尾がトレードマーク。 エンディス邸のメイド兼執事兼騎士であるミリアだ。 もはやネタに近い役職は嘘偽りなく、本物だ。戦闘能力が半端じゃない彼女は、お偉いさん方の情報確立には参加していないらしく、いつもの執事服だ。 「あ、リザを見なかったか?」 「リザさまなら先程屋敷の外へ行かれました。なにやら思い詰めているご様子でしたが――――色恋沙汰ですか?」 「え……?」 顔色一つ変えず、まるで挨拶みたいに自然な口調だったがミリアの目は確実に輝いている。 キュピーン、という擬音が最も妥当な眼差しである。
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