―罪―

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「リリー、いまはそんなことを気にしている場合ではないだろう。問題は――」 「黙りな引きこもり。これは重要なことだよ」 睨まれ、本来彼女より上の立場にあるクレイドは黙り込んだ。 「ギルド本部の連中は信用できるよ。娘が世話になってるからね。でも、魔導軍の人間は〝上の連中〟に一番近い」 「それは聞き捨てならないな。私は〝彼ら〟の駒ではない。むしろ、逆と言える」 「反乱も起こせるほどにかい?」 「それが世界の為から喜んで先頭に立ち、私は剣を振るう」 「ちょっとちょっと~! さっきから論点ずれてるよー」 「ガキんちょも黙ってな」 まるで聞き耳もたない。疑問を持てばとことん調べ、疑いが晴れるまで止まらない。 若くしてギルドマスターを任されたリリーはそういう人だった。 白い猫耳と尻尾はまるで飾りだとでもいうように動かない。 「ミラ、いまはなにを言ってもムダだろう。静かに嵐が去るのを待つのが賢明だ」 むーっと頬を膨らますミラであったが、彼女の力を持ってしてもリリーは止められない。 リリーとロイドの対決はいつ終わるのだろう、と残りの三人はやれやれとため息をついた。
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